8月25日(火)に渋谷で開催された佐々木正悟さん主催「第6回マインドハックセミナー」に参加してきました。
今回のテーマは「やる気ハック」でした。
個人的には、最後にお話のあった「軽そう状態」の話が興味深いというか、救われるような気持ちになりました。
「いつでもどこでもやる気が出せるのはちょっとおかしい」
「テンションを上げ続けて生産性を高める状態そのものがいいとは思えない」
「やる気しないなー、と言っている人の方が普通だと思う」
という佐々木さんの言葉は、半分溺れかかって息継ぎしている状態から冷静になって「あ、足つくじゃん、ここ」と思わせてくれたような気がします。
上がり下がりの波がある状態で、ココ!!って時に「やる気ハック」使ってコントロールできればいいのかな?
GTDとかいろいろなライフハックがある、と知ってから「身につけなきゃ」「習慣にしなきゃ」「勉強しなきゃ」という、強迫観念とまではいかないけれど、常に追い立てられているような、そんな気分でした。
“アルファブロガー”と呼ばれる人々のblogとかTweetとか見ていると、心のどこかでは超えられない壁があるってわかっているくせに、頑張ればせめて第一ゲートくらいは通過して、向こう側にいけるんじゃないか、と漠然と思っています。
しかし、その第一ゲートを通過するにはまだまだ努力が必要で………。
だけど、もう少し息切れしちゃってるのに、必死に鞭入れようとしたって、大して変化はないんだろうな、ということにも薄々気づいてて。そんな自分ってなんてダメな人間なんだーって思ったりもしていたのですが。
結局、自分は自分でしかないし、“向こう側”にいる人にはなれないわけで。
ああいう人たちもいるって認識しつつ、自分なりのやり方を見いだして行くしかないんですよね。
追い掛けることに夢中になるんじゃなくって、彼らをトレースするんじゃなくって。
いろいろなhacksをうまいこと利用して自分らしくやっていくしかないんだな、と痛感したのでした。
(テーマとは相当かけ離れているけれど)
セミナーでは、佐々木さんが普段実践している「やる気ハック」をいくつも紹介してくださいました。
大きく分けると、4つあるだろう、とのこと。
- 切迫感を高めるためのハック
- 成功率を高めるためのハック
- 承認欲求を刺激するためのハック
- 頭を切り替えるためのハック
① 切迫感を高める (→やる気にはなるがストレスも高まる)
- タイマーを使う
- 締切を確認する
② 成功率を高める
- 見通しを立てる (GTD)
- マニュアルを読む
- 小分けにする
- ゴールをはっきりさせる
- とりあえずやってみる (→とりあえずやってみると見通しが立ったりする)
③ 承認欲求を刺激する
- 褒め言葉を読む
- 名言集を読む
- 好きな著者の本を読む
- 読んで嬉しいメールを読む (→普段からラベル分けしておいて、いつでも取り出せるようにしておく)
- 褒めてくれそうな人としゃべる
④ 頭を切り替える
- 水を飲む
- WhiteNoiseを聞く (iPhoneアプリ。+ノイズキャンセラーヘッドフォン)
- 場所を変える
- 握力トレーニング
- 動く
- 表情を作る (→人は自分の表情を見て自分の状態を知る)
上記の中で「佐々木さんが最も頻繁に使うハックは?」という質問が出たのですが、
どれも使っている、とのこと。
「ゴールをはっきりさせる」というハックだけは、あまり意味がないと思っているそうです。
ゴールをはっきりさせることでやる気にはならないでしょ?とおっしゃっていました。
同意できるシーンもあるし、いやいや効果あるでしょ、と思うシーンもあります。
全然やる気が起きないこと(先延ばしにしてて全然手を付けていない仕事とか)の時に、ゴールをはっきりさせても、やることの多さとか面倒くささが強調されるだけで、やる気にはなれない。
でも、少し手を付け始めている途中、様々な要因でやる気が落ちた時にゴールをはっきりさせれば「もうこれだけ終わってる」「あともうちょっとで終わるじゃん!!」という気持ちになれるような気がします。
WhiteNoiseは、実際にヘッドフォン付きで聞かせてもらいました。
アロママッサージのお店とか岩盤浴、ヒーリンググッズコーナーで流れていそうな音。
これを聞きながら仕事をするのではなく、WhiteNoiseを聞く時は他には何もしないのだそうです。
だいたい15分くらい。いったんリセットするためのツールということなのかな、と解釈しました。
それから「表情を作る」。
朝起きて眠い時に、眠くない表情を作って鏡の前に立ってみると、意外と目が覚めるそうです。
表情を作る脳と、感情(?)の脳は別で、楽しそうな表情をしていると「あ、自分今楽しいんだな」と認識してしまうらしいです。
うーーーん、と思うところもあるけれど、でも鬼平読んでいるとこういう記述がたくさん出てくるのも確か。
「困難な状況の時にこそ、にやりと笑ってみると不思議と余裕ができるものだ」等々。。。
効果はあると思うけれど、気持ちが落ちている時に笑顔を作れない。
「楽しくないって思ってたら楽しめないから笑ってみよう」とは思うのだけど、「ホントは楽しくないのに?無理して??」と思うもう一人の自分が勝ってしまう。・・・でも、これはなんか自分の中の別の問題な気もする。
「やる気ハック」紹介の前に、「やる気」と「やりがい」についてのお話もありました。
「やる気」と「やりがい」を感じる脳は場所が異なるのだそうです。しかし、連動はするとのこと。
人は、主観で成功率が高いと思っている事柄に対して、やりがいを感じない。
人は、主観で成功率が低いと思っている事柄に対して、やる気が起きず現状維持しようとする。
成功率が高い(と主観で思っている)事柄は、例えばルーティンワークなどでしょうか。
いつもやっていることなので、高いパフォーマンス(行動の質)を必要とせず、ストレスレベルも低いため、眠くなってしまう。「うまくいって当たり前」と思っているのでやりがいを感じず、やりたくなくなる。
例として、車の運転を挙げていました。
成功率が高い事柄も低い事柄も、そこからちょうどいいバランスでパフォーマンスを発揮できるところへ持っていくのは難しいのだそうです。
それは、その成功率の数字を出しているのは主観だから。
「運転がうまい」と思っているのも「自分にはコトが大きすぎる」と思っているのも、自分自身だから成功率の数字が変わることがなく、だからこそバランスのいいポイントへのスイッチが難しいのだと思いました。
でも、主観に支配されている、ということは、数字をいじることもできる、ということ。
鏡の中の自分を見て自分の気持ちをコントロールできるように、やり方次第では「やる気」をコントロールすることもできそうだな、と感じたセミナーでした。
まだその答えは見つかっていないけれど、それが発見できただけでも収穫の多い時間だったと思います。
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